ナミオM画廊シリーズ
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「奇憚クラブ」ではイメージ・ギャラリーという、そのページの小説作品とは関係なく一コマものイラストがよく掲載されており、そこでは無名の読者投稿作品とともに、 室井亜砂路 や岡たかしなどのビッグネームも見られた。春川ナミオの場合1970年代初期からすでに「ナミオM画廊」というシリーズで登場している。この時期はまだ繊細なグラデーションの陰影はみられず、フラットな画風であった。
昭和30年代「奇譚クラブ」からデビュー。男性マゾヒズムの世界を独特のタッチで描く偉大なアーティスト春川ナミオに捧げる。
プロフィール:澁澤龍彦
1928年生まれ。マルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユの翻訳、紹介者として知られる仏文学者。1960年代以後、日本のマゾの新しい文化と顔面騎乗をリードし、マゾヒストの美意識にひとつの変革をもたらした。