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春川ナミオ 友の会 公式サイト

昭和30年代「奇譚クラブ」からデビュー。男性マゾヒズムの世界を独特のタッチで描く偉大なアーティスト春川ナミオに捧げる。

美酒に勝る味

顔面騎乗_02


素敵な女性とお酒を飲むよりも、顔面騎乗のほうが絶対いい! 
... と作者が思っているかどうかはともかく、バーのカウンターを背景にした作品には強いこだわりがあるように思われる。

視線の快楽

他者の視線_01


 何者かによって見られている。

 羞恥の恍惚はその視線の中にこそある。

 人には言えない、見られたくない己の願望が、

 白日のもとに剥き出しにされるとき、

 最高のエクスタシーが得られる。



憧れの顔面騎乗

顔面騎乗_01


 春川ナミオのイラストとくれば、まっさきに思い浮かぶのが顔面騎乗。強烈な圧迫感。首の骨が折れそうなくらい体重が押しかかる。誰が見ても不自然な格好やありえない状況設定も、この人の手にかかると不思議な説得力が感じられる。マゾとかSM以前に、本当に女性のお尻が好きなのだ。そのフェティッシュな愛が時代を越えたインパクトの源であろう。

女教師からの責め

女教師_01

 春川作品のモチーフには女子学生や女教師がよく取り上げられる。教師と生徒の関係性は基本的に支配と服従に近いものがありながら、学校という空間はおよそSM とは無縁であるべきという無言の抑圧の場でもあり、そのアンビバレントな雰囲気が、ノスタルジックに機能し、なんとも甘美的な魅力を増大させる。もしかして作者の春川は、学校でトラウマ的な記憶があるのもしれない。

奇妙な幻想

人間便器

 春川ナミオによって描かれる世界は、そのままSMプレイのカテゴリーとなるぐらい実に様々なバリエーションがある中で、比較的作品数が少ないのがスカトロ系。黄金や聖水はあまり好みではないのかもしれない。とてもではないが現実には出来ないと思われるのに、はからずも「やってみたい」と思わせる何かが、抵抗しがたい魅力がそこにはある。麻薬的な禁断の世界へと春川ナミオは誘う。

女学生の尻の下で

初期作品_01

 本来は従属的立場にいるはずの相手から支配や辱めを受けるという逆転の構図こそ、SMやFemDomの醍醐味といえる。それを端的に見せてくれるのが女学生のイメージ。未熟なつぼみともいえる半玉のドミナは、比較的初期の作品に多く登場する。

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澁澤龍彦

プロフィール:澁澤龍彦
1928年生まれ。マルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユの翻訳、紹介者として知られる仏文学者。1960年代以後、日本のマゾの新しい文化と顔面騎乗をリードし、マゾヒストの美意識にひとつの変革をもたらした。






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