男の表情が見られる例
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なんで俺、こんなことしてんだろう?
そんなにうれしそうでもない男の表情が印象的な作品。
初期の作品ではこのように、男性の顔がたまに描かれている。お尻の下になって顔が見えない、またはあえて見せないような構図が多い春川作品だから、この作品のようになんともいえないユーモラスな表情が感じられる図というのは珍しい。凡人には近寄りがたいどろどろしたイメージが主流のSMの世界において、ほのぼの感が味わえるユニークな作品である。
こういうのをちょっとだけFemDomと言えるのかな?
昭和30年代「奇譚クラブ」からデビュー。男性マゾヒズムの世界を独特のタッチで描く偉大なアーティスト春川ナミオに捧げる。
プロフィール:澁澤龍彦
1928年生まれ。マルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユの翻訳、紹介者として知られる仏文学者。1960年代以後、日本のマゾの新しい文化と顔面騎乗をリードし、マゾヒストの美意識にひとつの変革をもたらした。